技を盗む2009/01/12

世界の平和のために
 「あの先生は俺の技を盗んだ。」「あの技は、俺の技から盗んだものだ。」というある人の話を聞いた。心にひっかかった。

 苦労して苦労してやっと自分のものにした(と思っている)技を、あるとき別の師範がそれと似たような技を披露された。しかも明らかに以前のその師範の技とは違う。そしてそれを講習会で教えている。そのような時、あの先生は俺の技を盗んだ(怪しからん)と思ったのだろう。

 稽古を続けて技が上達するというのは、身体も心も軟らかくなり、動きが滑らかになり、形の上で美しくなり、品格が備わるということである。そしてそのプロセスを通して、共に稽古をする仲間、さらに世の人々に奉仕して、平和な世界を目指しなさい、というのが開祖の教えである。

 技を盗まれるのは、大いに結構。逆にありがたいと感じるのが、本来の姿である。盗んだ人がそれによって、金儲けをしたとしてもである。盗んで怪しからん、と思うようではまだまだ修行が足りぬ。

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