タイミング2009/02/01

無抵抗
 稽古中に、「タイミングが遅い!」と指導されているのを観て(聞いて)、心にひっかりました。

 「受け」が正面打ちに来るのに対して、入り身をするときなど、確かにタイミングが遅れると打たれてしまいます。まして、手刀ではなく剣ならば生命を落としてしまいます。

 しかし、「タイミングが遅れないように注意して」入り身をするのは、無理があるように感じます。つまり「打たれないように」、あるいは「切られないように」するからで、うまく行く時もあるし、失敗するときもあります。これでは、いつか壁にぶつかります。

 開祖は「合気道は無抵抗」と言われました。ということは、打たれても、切られてもそのままでいなさい、ということです。普通そんなことはできません。目に見える世界、あるいは理屈では矛盾することです。

 ところが、目に見えない世界では少し違うようです。無抵抗でいて、打たれたり切られたりすることを覚悟すると、相手が相手で無くなる瞬間があります。これは簡単なことではありません。極端にいうと「死を覚悟」する、あるいは相手に自分の命を預けることです。開祖の言葉を心の底から信じて、相手が打ってきても、突いてきても、何をされようと無抵抗でいることができるよう、稽古するのが合気道です。そして本当にそうなった時、何が起こるかを実感しなければなりません。

 打たれないよう、切られないように、タイミングを計るのは合気道の稽古ではないと思い、無抵抗を修行しています。